BtoBビジネスにおいて、バイヤージャーニーの理解と活用はビジネス成長の鍵を握る要素の一つです。
顧客の購買における行動や感情を詳細に把握し、それに基づいたマーケティング戦略を立てることで、効果的にターゲットを絞り込み、売上の改善につながります。
本記事では、バイヤージャーニーの基本的な概念から、具体的な作成方法、さらに実際のビジネスでの活用法まで徹底的に解説します。
ぜひ、バイヤージャーニーを活用して顧客の購買プロセスを理解し、今後のマーケティング戦略に活かしてください。
顧客は企業の製品やサービスを購入する前に、様々な情報収集や検討が必要となります。このプロセスにおける顧客の課題やニーズ、それに伴う感情や行動を理解することで、最適なコンテンツやサービスを提供することができ、購買を促すことにつながります。
「バイヤージャーニー」とは、見込み客が製品やサービスを認知して購入するまでのプロセスを指します。
バイヤージャーニーには、大きく分けて「認知」「検討」「決定」の3つの段階があります。
このプロセスを理解することによって、顧客の購買意欲を喚起するための適切な情報提供やサービス提供が可能となり、売上の改善や顧客満足度の向上につながることも期待できるため、バイヤージャーニーを活用する事が重要です。
バイヤージャーニーの「認知」「検討」「決定」の3つの段階について詳しく見ていきます。
バイヤージャーニーのこの3つのフェーズを把握し、それぞれのフェーズに応じた適切なアプローチやコンテンツ作成を行うことで、企業は顧客のニーズに応えることができ、潜在顧客を購入に導くことができます。
BtoBビジネスでは、購買プロセスが複雑であることが多く、購買に至るまでに複数の意思決定者が関与します。
そのため、各意思決定者がどのフェーズにいるのかを正確に把握することが重要です。バイヤージャーニーを描くことで、各段階に適したアプローチを取ることができ、効率的なマーケティングと営業活動を実現できます。
バイヤージャーニーと混同されやすい言葉として「カスタマージャーニー」があります。
バイヤージャーニーはBtoBビジネスにおける認知から決定までのプロセスに限定されている一方で、カスタマージャーニーはBtoBビジネスに関わらず、製品やサービスの認知から購入の段階に加えて、購入後の継続的な利用やリピート購買など顧客体験全体に焦点を当てています。
バイヤージャーニーは、カスタマージャーニーに包含される概念とも言えるため、同じような意味合いで利用されることも多いです。
<カスタマージャーニーマップのイメージ例>
バイヤージャーニーを作成する前に、まず必要となるのが「バイヤーペルソナ」です。ここからは、バイヤーペルソナとは何か、その作成方法もあわせて解説します。
「バイヤーペルソナ」とは、実際に存在する顧客に関する分析やデータに基づいた架空の人物像を指します。「マーケティングペルソナ」や単に「ペルソナ」といわれる用語もありますが、バイヤーペルソナはBtoBビジネスにおいて使われる事が多いです。
顧客の需要を正しく理解するために、バイヤーペルソナの作成が重要となります。
バイヤーペルソナを作成する際には、ターゲット顧客を具体的にイメージし、その特徴やニーズを明確にする必要があります。バイヤーペルソナを作成する際には、企業の属性と個人の属性が必要となります。それそれのペルソナには、以下のような要素が含まれます。
企業の属性
個人の属性
2. バイヤーペルソナのプロファイル作成
収集したデータをもとに、具体的なバイヤーペルソナのプロファイルを作成します。前述したバイヤーペルソナを作成する際に必要となる企業の属性と個人の属性を含めてより具体的なバイヤーペルソナを作成します。
3. バイヤーペルソナの更新と活用
一度作成したバイヤーペルソナは定期的に見直し、必要に応じて更新することが重要です。市場や顧客の変化に対応し、常に最新の情報を反映させることで、効果的なマーケティング戦略を維持できます。
BtoBビジネスにおいて、バイヤージャーニーを定義し、理解することで顧客の購買行動に関する行動や感情を理解することができます。これによって、適切なマーケティング戦略の実施が可能となります。ここからは、バイヤージャーニーの必要性とそのメリットについて詳しく解説します。
バイヤーペルソナとバイヤージャーニーを明確に定義することで、企業はターゲット顧客の詳細なプロファイルとその購買行動の流れを理解することができます。これにより、次のようなメリットが得られます。
正確な広告配信
バイヤーペルソナに基づいて、適切なメディアとチャネルを選定することで、広告が見込み顧客に届く確率が高まります。例えば、特定の業界や役職に向けたLinkedIn広告キャンペーンを実施するなどです。
カスタマイズされたコンテンツ
各フェーズで必要な情報を提供するために、ペルソナの関心事やニーズに合わせたコンテンツを作成します。例えば、認知の段階では業界トレンドのレポート、検討段階では具体的な製品比較ガイド、決定段階では顧客事例やROI分析を提供することが効果的です。
バイヤーペルソナとバイヤージャーニーに基づいたマーケティング戦略を策定することで、各段階で最も効果的なアプローチを選択することができます。
フェーズごとの戦術
認知フェーズでは、SEO対策やウェビナーの開催に注力し、比較フェーズでは、製品デモや無料トライアルを活用します。購入フェーズでは、具体的な導入支援やサポート体制を明示することが重要です。
クロスチャネルの統合
顧客がどのチャネルを利用しているかを把握し、ウェブサイト、メール、ソーシャルメディア、オフラインイベントなどマルチチャネルを統合的に運用することで、一貫した顧客体験を提供します。
データドリブンの意思決定
バイヤージャーニーの各段階で収集したデータを分析し、マーケティング施策の効果を測定・最適化します。例えば、特定のコンテンツがどのフェーズで最も効果的かを見極め、その情報をもとにコンテンツ戦略を改善します。
ここからは、実際のバイヤージャーニーの作成方法について詳しく見ていきます。
バイヤージャーニーの作成にあたり、まず必要なのがバイヤーペルソナの設定です。こちらについては、前述したバイヤーペルソナの作成方法を参考にしてください。
「認知」「検討」「決定」それぞれの段階で顧客が持つ課題、取るであろう行動、その時の感情、求める情報を定義します。
さらに、その内容に応じて自社で提供するべきであるコンテンツを整理します。
例えば、顧客が「マーケティングキャンペーンの効果測定が難しく、手動での分析に時間がかかる」という課題を抱えており、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入を検討してるとします。
この課題を解決する上でのバイヤージャーニーを以下のように定義します。
1. 認知段階
感情
MAの導入が自社の課題を解決できるかどうかに興味がある
既存のマーケティング手法に限界を感じ、効率化を図りたい
MAツールが具体的にどのように役立つのか知りたい
求める情報
MAツールの基本的な機能やメリットに関する情報
2. 検討段階
感情
複数のMAツールに対する興味・関心
適切なMAツールを選べるかどうか不安
自社のニーズに最適なソリューションを見つけたい
求める情報
各MAツールの詳細な仕様や機能、価格の比較
導入成功事例や顧客レビュー
導入プロセスの具体的なステップ
3. 決定段階
感情
選択したMAツールが最適であるという確信
ベンダーやツールの信頼性に対する安心感
導入後の成果や効果に対する期待
求める情報
導入後のサポート体制やトレーニングの内容
契約条件や価格の詳細な情報
導入プロセスやタイムラインの明確な説明
導入に伴うリスクや対策の具体的な説明
バイヤージャーニーを詳細に理解し、効果的に活用することで、BtoBビジネスにおけるマーケティングの中で顧客のニーズに合わせた最適なサービス提供が可能となります。
ぜひ本記事を参考に、バイヤーペルソナとバイヤージャーニーを作成し顧客とのエンゲージメントを高め、売上改善につなげてください。
アクセサイトでは、バイヤーペルソナやバイヤージャーニーを活用したマーケティングDXに関するご相談を承っておりますので、是非お気軽にご連絡ください。