2024年も、Open AIの最新AIモデル・Chat GPT-4oの発表や、動画生成AIのRunway Gen-3 alphaの登場など、生成AIの進化が止まりません。
生成AIを業務に活用したいけれど、どのツールを利用すれば良いか選べない、ひとつのツールでさまざまな業務に生成AIを活用できないだろうか、と考えている方におすすめなのがHubSpotのAI機能です。
以前、HubSpotで利用できるAI機能の概要については、HubSpotのAI機能の活用でDXを推進!生成AIによるコンテンツ作成機能とは?の記事で解説しましたが、今回はより詳しくHubSpotで利用できる生成AIについて解説します。
HubSpotとは、マーケティング、営業、カスタマーサポートの全ての業務をつなげる機能を備えた統合型のCRMプラットフォームです。
2023年9月にAI機能の導入が発表され、2024年6月のSpotlight(HubSpotが年に2回行う新製品の発表)では、AI機能の搭載を含む100以上のアップデートが紹介されました。
この記事で解説するHubSpotのAI機能を利用するためには、HubSpotの設定画面から「AIアシスタント」を選択して「コンテンツプロンプト」と「顧客分析」をオンにする必要があります。
「生成AI(ジェネレーティブAI)」は、機械学習の一種であり、大量のデータを基にして新しいコンテンツを生成する能力を持ったAIのことです。
従来のAIとは、「新しいコンテンツを生成する能力」を持つ点が大きく異なります。従来のAIはデータを学習し、結果として既存のコンテンツの中から最適なものを出力する一方で、生成AIは学習と予測を行った上で新たな答えを作り出します。
生成AIの代表的な例としては、Chat GPTなどの文章を生成するモデルや、Runway AI などの画像生成モデルが挙げられます。
HubSpotで利用できる生成AI機能には、ブログコンテンツの生成や動画生成、画像生成などが挙げられます。
ここからは、それぞれの機能について解説していきます。
まず始めに、HubSpotのEメール機能の中で生成AIを活用について解説します。EメールはHubSpotの無料プランでも利用可能です。
Eメールの編集画面で、文章を選択した時に表示されるダイヤの形のマークをクリックすると文章の書き換え・展開・短縮・トーンの変更を選択できます。
本文だけでなく、メールの内容に応じて件名とプレビューテキストを作成することも可能です。
Eメールの編集画面にある「設定」タブを選択して、「件名」と「プレビューテキスト」のところにある「生成」をクリックすると、AIが生成した候補が表示されます。
Eメールの件名とプレビューテキストの生成
ブログ記事の作成もHubSpotの無料プランで利用できますが、キーワード設定などを利用する場合はContent Hub Professionalプラン以上が必要となります。
画面下部のキーワード、ターゲットオーディエンス、ブログの選択は有料プランが必要
ブログ記事の作成については、こちらの記事(HubSpotのAI機能の活用でDXを推進!生成AIによるコンテンツ作成機能とは?)で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
ブログ記事作成では、記事の作成だけでなくEメールと同じように文章の書き換えやトーンの変更が可能です。操作方法もEメールと同じく、記事の編集画面で、文章を選択した時に表示されるダイヤの形のマークをクリックしてAIで文章の書き換え・展開・短縮・トーンの変更を選択します。
さらに、記事の音声読み上げを追加できる「記事ナレーション」や、作成した記事を他の言語で作成できる「多言語バリエーション」といった機能も利用できます。
(※動画の後半に音声が流れます)
記事ナレーション機能の解説
多言語バリエーション機能の解説
HubSpotとソーシャルメディアを連携すると、HubSpot上でソーシャルメディア投稿が可能となります。
ここでも生成AI機能を利用することができ、投稿したい内容を入力すると、ソーシャルメディアの投稿用に文章とハッシュタグが生成されます。一度の入力で6回まで生成できるので、イメージに合った投稿を作成することが可能です。
ソーシャル投稿の解説
HubSpotの「動画クリップ作成ツール」を利用して動画を生成することができます。こちらの機能は、HubSpotのアカウントをお持ちであれば無料で利用することが可能です。
動画にしたい内容を入力して、動画のトーンやテンプレートを選択するだけで自動的に動画が生成されます。
(動画の後半で音楽が流れます)
動画生成AIの解説
「コンテンツリミックス」とは、作成したコンテンツ(ブログ記事など)から、ソーシャルメディアへの投稿や画像などを再生成できる機能です。
この機能は、Content Hub Professional プラン以上で利用可能です。
ブログ記事を作成後に、XやFacebookなどのソーシャルメディアへの投稿や、Eメールでの配信を行う際に便利な機能です。
コンテンツリミックスのサンプル画面
コンテンツリミックス機能の解説
ここで紹介したほかにも、Content Hubへのリニューアルに伴いブランドボイスやポッドキャストのホスティング機能なども追加されました。
これらの機能についてはこちらの記事(HubSpotのCMS HubはAIを搭載したContent Hubへ進化!何が変わったのか?を徹底解説!)でも触れていますが、ブランドボイス、ポッドキャストともにContent Hub Professional プラン以上で利用できます。
HubSpotには「ワークフロー」と呼ばれる業務を自動化できる機能があります。ワークフローはHubSpotのMarketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Operations HubのProfessionalプラン以上で利用することが可能です。
ワークフローの作成画面で、概要を入力するとワークフローが生成されます。ワークフローの実施に必要なEメールやフォームを選択すれば利用可能になるためワークフローの作成に慣れていなくても作成が可能となります。
ワークフローAIの解説
ChatSpotはOpenAIのデータベース、ChatGPT、Dall-Eを採用したAIアシスタント機能です。こちらはChatSpotのアカウント、もしくはHubSpotのアカウントをお持ちであれば無料で利用することができます。
HubSpotのアカウントを利用すれば、利用できる機能の幅が広がりHubSpotのコンタクトを作成したりCRMのデータベースを利用したレポート作成などが可能になります。ただし、日本語には対応していません(2024年7月現在)のでご注意ください。
ChatSpotでも画像生成が可能です。
ChatSpotでの画像生成解説
今回の記事ではHubSpotで利用できる生成AI機能についてまとめました。記事の作成や画像生成だけでなく、動画の生成やワークフローでの活用もできるなどHubSpotを利用した幅広い業務で生成AI機能が利用できるようになっています。
今後さらに活用できる業務の幅が広がることも期待できます。アクセサイトのブログやSNSでも最新のアップデート情報や詳しい活用方法などについて発信していますので、フォローしてぜひ最新の情報をチェックしてください。
本記事で紹介した生成AI機能を活用して、業務の効率化やコンテンツの作成にお役立てください。