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コンテンツマーケティングとは?

作成者: アクセサイト編集担当|2021.10.1

「コンテンツマーケティング」とは、ブログ記事や動画、ホワイトペーパー 、事例集など、ターゲットとする顧客のビジネスにとって「有益で関心性の高い情報コンテンツ」を活用して、潜在顧客や見込顧客を自社のウェブサイトに誘導し、結果的に、メルマガ登録や資料請求、セミナーへの参加、製品やサービスに対するお問い合わせなどの「リード獲得」を促進させるマーケティング手法の一つです。

潜在顧客や見込顧客にとって有益で関心のあるコンテンツを制作し提供し続けることで、自社の製品やサービスを広く認知してもらい、さらには製品やサービスに対する深い関心を持ってもらうことで、顧客とのエンゲージメントを高めることができます。

そこで本記事では、コンテンツマーケティングの基礎について解説していきます。

コンテンツマーケティングの歴史

昨今、コンテンツマーケティングという言葉をよく耳にするようになりました。

米国では2010年頃、日本国内では2014年頃から注目され始め、関連する書籍も多く出版されています。一見、新しいマーケティング手法のようにも見えますが、この手法自体は決して新しいものではありません。企業は、100年以上も前から顧客の関心を得るための工夫を凝らしてきました。

コンテンツマーケティングの歴史を振り返ると、フランスのタイヤメーカーであるミシュラン社では1900年に自動車旅行に役立つ市街地図や、休憩のためのガソリンスタンド、ホテルの情報を掲載した「ミシュランガイド」を無料で35,000部配布しました。

今では世界的に有名なレストランガイドとなりましたが、ミシュラン社が本来訴求すべきタイヤを売るのではなく、自動車旅行が活発になるよう、より安全で快適ドライブを楽しむためのガイドブックとして、提供し続けました。

1930年には、世界最大の消費財メーカーであるP&Gが連続ラジオドラマに進出しました。
同社が独自にリサーチを行った結果、ターゲットである主婦層がエンターテイメント性のあるコンテンツを求めていることを発見し、ターゲットの悩みに親身になったラジオドラマを作りました。

このドラマはシリーズ化され、主婦層の心を掴むことに成功し、結果として熱狂的なファンを中心にP&Gのブランド認知向上に大きく寄与したのです。

このように、コンテンツマーケティングは情報伝達のチャネルがまだごくわずかしかない時代から始まりました。現代では、そのチャネルは比べものにならないほど増えていますが、どんな時代であれ、「正しい相手に、正しいタイミングで、質の高いコンテンツを提供する」ことで、企業は顧客を導く情報提供者となることが可能です。

インバウンドマーケティングとの違い

コンテンツマーケティングを語る際、よく混同されるキーワードとして「インバウンドマーケティング」という言葉があります。

両者は近しいマーケティング手法で、同義として表現されることも多いのですが、インバウンドマーケティングはアメリカのハブスポット社(HubSpot)が提唱し、コンテンツマーケティングは、このインバウンドマーケティングを実践する1つの手法とも言えます。

インバウンドマーケティングについて理解するため、まずは対義語となる「アウトバウンドマーケティング」について解説します。

アウトバウンドマーケティングとは、テレビCMやDM(ダイレクトメール)、テレマーケティング、展示会など潜在顧客や見込顧客に対して、売り手側がいわば一方的に売り込みを行うような手法を指します。

昨今ではこのようなアウトバウンドマーケティングは、人々の生活を遮るものであり、売り込みの効果が低くなってきています。電話でのセールスなどを受けると、多くの人が警戒して、セールス文句を聞き入れず、断るようになってしまったからです。

一方のインバウンドマーケティングはアウトバウンドマーケティングとは真逆の考え方で、売り手側から働きかけることなく、潜在顧客や見込顧客となりそうな人に、GoogleやYahooなどの検索エンジンやFacebook/twitter/ LinkedInなどのSNS、メルマガなどを通じて、自社の製品やサービスを「見つけてもらうこと」に重きを置いたマーケティング手法になります。いわば「引き寄せ型」のマーケティング手法とも言えるでしょう。

 

 

この手法の一部としてウェブサイトやブログ、ホワイトペーパー などで、顧客に役立つコンテンツを提供し、潜在顧客や見込顧客から見つけてもらうことを目標とするのがコンテンツマーケティングです。

このように、インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは、潜在顧客や見込顧客に対する考え方は同じだとしても、個別の意味ではそれぞれ特有の意味合いを持っています。

インバウンドマーケティングが形式や、考え方、概念を表す一方、コンテンツマーケティングは、製品やサービスを購買につなげるためのコンテンツを活用したマーケティングの手法といえます。つまりインバウンドマーケティングを行う上で、コンテンツに注力したインバウンドマーケティングが、コンテンツマーケティングとも言えるでしょう。

コンテンツマーケティングの実践について

それではコンテンツマーケティングを実践していく際に、制作すべきコンテンツの種類としてはどのようなものがあるのでしょうか?

代表的なコンテンツとその特性について解説していきます。

ブログ記事

ブログ記事の制作はコンテンツマーケティングの中でも、特に重要な施策です。

Google検索が主流となった今、制作したブログ記事が「検索結果に上位表示される」ことで、自社のウェブサイトページへの流入(オーガニック流入)が高まり、「認知」を広く獲得できるようになるからです。

貴社にとっての潜在顧客や見込顧客は、会社の経営方針や上司からのミッションをもとに「ビジネス上の業務課題」や「実現したいイメージ」、「業界の最新のトレンド」など、日々業務改善に向けてあらゆる「検索キーワード」で調査し知見を高めていることでしょう。

Google検索エンジンのアルゴリズムは日々進化しており「検索キーワードに対して最も有益な情報ページ」を上位表示させる取り組みを行っていることは言うまでもないですが、昨今では、この検索キーワードに対して、より詳しく、わかりやすく解説しているブログ記事が上位に表示される傾向にあることも理由の一つです。

そのため、ブログ記事はただ作ればよいということではありません。上記の通り、「検索結果の上位に表示されること」を目標とした、「定期的なSEO(検索エンジンの最適化)対策」も視野に入れた取り組みが重要となります。

ブログ運営には多大な労力と手間がかかりますが、定期的かつ長期的な施策として取り組むことで、作成した記事は「資産化」され、SEOの相乗効果から、自社ウェブサイトへのトラフィック流入の増加をもたらし、ブログを経由したメルマガ登録や資料請求、問い合わせ増など、売上改善につながる兆しが見えてきます。

またブログは、ソーシャルメディアとの相性も良く、企業のニュースやお知らせだけにとどまらない情報発信を拡大させ、他者への幅広い拡散(シェア)が期待できるなど、コンテンツマーケティングの核ともいえる施策と言えるでしょう。

事例コンテンツ

通販サイトなどで商品を購入する際は、その商品の「評価」や「口コミ」をチェックした上で最終的な購入に至る経験が多いのではないでしょうか?

BtoB企業の製品やサービスの販売にとっても同じことが当てはまります。例え魅力的な製品やサービスであっても、導入後に失敗はしたくないため、実際にどれくらいの導入事例があるのか?どのような企業が導入しているのか?どうような効果が見込めるのか?について、実際に導入した企業の評価や声を聞かなければ、最終的な意思決定への判断が難しい状況になるでしょう。

そのため、「事例コンテンツ」の制作は、最初の「認知段階」や最終的な「意思決定段階」で効果を発揮するコンテンツとも言えます。

製品やサービスを導入した後に長い年月が経ってしまうと、事例制作への協力が薄まることが懸念されるため、導入後なるべく早いタイミングで顧客へ協力を依頼し、事例コンテンツの制作を進めることをおすすめします。

また、事例コンテンツ制作のためには、何らかのインセンティブを顧客に与えることも重要です。例えば、契約段階で事例への協力を約束してくれる場合は値引きをする、導入後のアンケートや口コミへの回答でプレゼントを渡すなどです。

ホワイトペーパー(eBook)

ホワイトペーパー(欧米ではeBookとも言われます)とはどのようなコンテンツでしょうか?

昨今では、企業の課題に対する調査内容やトレンド、課題に対する解決の方向性やソリューションなどについてまとめた小冊子(電子書籍)のようなイメージで用いられています。日本語ではわかりやすく「お役立ち資料」とも言われています。

その形態は、調査レポートであったり、業界同行や市場同行、最新トレンドキーワードの解説、ソリューションの紹介、事例集など幅広い資料となっていることが特徴です。

ホワイトペーパー を制作する目的は、ホワイトペーパー のダウンロード(資料請求)と引き換えに、個人情報を入手することが主流となってきました。すなわち「リード獲得」のためのコンテンツであり、「認知段階」後の、より深く製品やサービスに関心をもってもらう「顧客育成段階」で効果を発揮するコンテンツとも言えます。

データ形式は「PDF形式」が主流で、内容としては、3000〜5000文字くらいの文章量と、わかりやすくするための図版が3〜5枚程度あるのが一般的ではないでしょうか。最近では、よりわかりやすく解説するために「漫画形式」のホワイトペーパー もよく見るようになってきました。

ホワイトペーパー の制作は専門家に有償で依頼することも可能ですが、普段、営業担当が用いている会社紹介資料や、セミナーの内容をそのまま資料化するなど、まずは簡易的な方法ではじめることも可能です。

動画

インターネット速度の高速化やスマートフォンの普及、また以前に比べ動画制作のコストが下がってきている背景もあり、昨今では「動画コンテンツ」も有用な施策となります。

動画は、製品やサービス(または会社イメージ)を「視覚」と「聴覚」で訴えることができるため、人々の記憶に残りやすく、また短時間で多くの情報量を伝えることができることが特徴です。

また、動画であれば、製品やサービスの使い方の説明など、「静的」なテキストや画像だけでは伝わりずらい「動的」な情報を短時間で簡潔に伝えることができるため、時間のない顧客にとっても利便性の高いコンテンツとも言えます。

動画の形態は、製品やサービスの紹介動画や過去のセミナー動画(録画)、会社のイメージを想起させるようなブランディング動画など様々です。動画の長さは、紹介系の動画であれば「30秒〜1分半程度」、セミナー動画であれば、「30分程度」が一般的ではないでしょうか。

動画コンテンツは利用用途にもよりますが「認知段階」と、より深く製品やサービスに関心をもってもらう「顧客育成段階」で効果を発揮するコンテンツとも言え、過去のセミナー動画の掲載であれば、フォーム送信後に閲覧が可能にするなどで「リード獲得」も推進できるでしょう。

まとめ:情報過多時代には適切なコミュニケーション戦略を

いかがでしょうか?コンテンツマーケティングでは、各コンテンツの特性を理解し、優先度を決めて、顧客の役に立つ優良なコンテンツを制作し続けることで、顧客と継続的な接点を持つことができ、おのずと顧客エンゲージメントが高まり、売上の改善に寄与することでしょう。

昨今ではコンテンツマーケティングを効率的に行うためにも、ウェブサイト制作の基盤として「CMS(コンテンツ管理システム)」が利用されるようになり、特に米国ではHubSpotが圧倒的なシェアを誇っています。

加速的に変化する世の中に対して、重要かつ適切なコンテンツを発信し続ける企業は顧客にとってより重要な存在へと変わっていきます。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト、Youtubeなど「情報過多」になった現代において、能動的に(自発的に)探し求めてきた顧客に対して、適切なコンテンツ戦略でコミュニケーションを取る工夫を凝らすことが大切です。