POINT
- サービスサイトのオウンドメディア運営にHubSpotを導入し、コンテンツ施策で大幅なPV増加とリード獲得を実現
- サービスサイトの成果を機に、コーポレートサイトにもHubSpotを導入し、デジタルマーケティングの範囲を拡大
- 各部門のSFAと連携された顧客インサイトのデータやレポート活用により、全社的な部門を跨いだクロスセルに貢献
導入背景と選定ポイントHubSpotによるオウンドメディア運営で、大幅なPV増加とリード獲得を実現
渡部氏:NRIセキュアのコンサルティング部門が立ち上げたセキュリティ対策実行支援プラットフォーム「Secure SketCH」の販売強化を目的に、オウンドメディアを中心としたデジタルマーケティング施策の実行を検討していました。
2018年当時に使用していたCMSは使いづらく、更新までのスピード感に欠けていたため、デジタルマーケティングに最適な環境を実現するためのCMS選定から開始し、さまざまなツールを検討した中で選んだのが「HubSpot」です。CRM、CMS、マーケティングEメール、ワークフロー、レポートなどのさまざまな機能があり、今後の可能性が拡がりそうだと感じたことが選定のポイントでした。
実際に導入してみたところ、非常に使いやすいものの、モジュールテンプレートの変更や自由度の高いページの構築など、一部のページについては専門的な知識が必要でした。そこで、新規ページ制作や既存テンプレートの改修について、HubSpot社から紹介のあったアクセサイトに相談し、Google広告運用やSEO記事制作などデジタルマーケティング施策面も含めたサポートをお願いすることにしました。
アクセサイトには、オウンドメディア改修以外にも、資料ダウンロードページやウェビナー開催ページなど、さまざまなモジュールテンプレートを開発いただきました。HTMLなどの特別なスキルがなくても手軽にページを作成し更新できるようにしていただいたおかげで、オウンドメディアやサービスサイトの運営は非常にスムーズになりました。
オウンドメディアに 掲載する記事の内容も、新規事業のテーマである「セキュリティ評価」に関することだけではなく、セキュリティインシデントの動向や対策トレンドに合わせてセキュリティ全般や技術に関する解説記事などを週1~2本のペースで掲載していきました。その結果、全体のPVが大幅に伸張し、会社全体の露出も増加。サイトを通じてリード獲得や案件の受注にもつながるケースも増えていきました。
導入の展開① サービスサイトの成果を受けてHubSpotを全社に展開、コーポレートサイトをフルリニューアルへ
渡部氏:HubSpotを用いた「Secure SketCH」のマーケティング施策が非常に好調であったため、コーポレートサイトにもHubSpotを導入することになりました。コーポレートサイトは数千ページに及びますので、会社全体のマーケティングを進めるにあたり、まずは、デザインは変更せずに基盤だけをHubSpotに移し、サービスサイトと合わせて一元管理できるようにしました。
その後、2020年に当社が創業20周年を迎えるのを機に、外部のコンサルティング会社とアクセサイトの支援のもと、BtoBマーケティングに最も適したサイト構成やUI/UX面を考慮したフルリニューアルを行い、Secure SketCH独自に運営していたオウンドメディアもコーポレートサイトに統合しました。
西氏:その後、2022年にもトップページを中心としたデザインリニューアルを行っていますが、私たちが提示したこちらからの課題事項に対して、アクセサイトから既存の改善点などを図式化して丁寧に説明いただいたおかげで、スムーズにデザインリニューアルすることができました。全てのWebサイトをHubSpotで管理できるようになったことで、ページ制作や更新作業のスピードは格段に加速しました。
大野氏:もともと使用していたCMSはソースで更新するのとあまり変わらず苦戦していました。機能が分断されているので反映するまでに時間がかかり、専門的な作業が必要で、更新できる人も限られていました。一方で、HubSpotは、Web制作~顧客管理、レポート機能までオールインワンで搭載されていて、必要なモジュールや仕組みを作ってしまえば、誰でも簡単に使うことができるので、社内への浸透もしやすいツールだと思います。
渡部氏:アクセサイトはHubSpotを活用したマーケティングノウハウや実績を豊富にお持ちだったので、Web制作以外にもいろんなことを相談するようになり、2018年から現在まで継続してサポートをお願いしています。
また、セキュリティ業界についてもしっかりとご理解いただき、さまざまな提案もしていただけるので、サイト速度の改善やGA4(Google アナリティクス 4)に関する質問など、HubSpot以外のことも相談しています。いつもレスポンスが早く、分かりやすく教えてくれるので、まるで社内に専門部署ができたような感覚でいます。
導入の展開②HubSpotから得られる顧客インサイトを有効活用し、部門を跨いだクロスセル強化へ
月岡氏:HubSpotはコーポレートサイト運用やマーケティング施策だけではなく、営業案件の管理にも活用しています。HubSpotの案件管理機能を利用し、各部門の営業案件の情報をHubSpotに集約することで、全社員が現在進行中の営業案件や顧客情報などを閲覧できるようになりました。当社では、それぞれの部門で管理しているSFA基盤の情報を、自動でHubSpotに吸い上げる仕組みを作っているので、営業側の負担はほとんどなく、会社全体の営業データを活用できる状態になっています。
例えば、「Webサイトからお問い合わせいただいたお客様が、その後どういう接点を通じて、何をきっかけにご成約いただけたのか?」といった点や、「すでにお取引いただいているお客様が、次はどのような商材にご興味を持っているのか?」といった顧客インサイト情報も見ることができるようになりました。
現在は社員のほとんどがHubSpot上で部門を跨いだデータやレポートを閲覧でき、実際に多くの社員 がデータをアクティブに活用しています。今後もデータの蓄積と活用を継続していけば、成功パターンや失敗パターンの傾向も見えてくるはず。もっと売上に貢献できるような仕組みへとブラッシュアップしていきたいと考えています。
渡部氏:当社には多岐にわたるサービスやソリューションがあり、部門を跨いだクロスセルにも注力しています。以前は部門ごとに案件管理を行っていたので、あるプロダクトを購入いただいたお客様に対して、一緒に提案ができそうなコンサルティングサービスや他部門のソリューションがあったとしても、その可能性に気付けないことも少なくありませんでした。しかしHubSpotを導入してからは、部門を跨いだ情報が見られるため、クロスセルの提案もしやすくなっています。
今後の展望レポートの改善やAI活用など、HubSpotの機能を最大限に活用するためのサポートに期待
大野氏:HubSpotの導入によって、自分たちでも記事を作成したり、簡単にウェビナーのページを作ることができたり、顧客のインサイトを見られるようになったりしたことで、社員一人ひとりの営業やマーケティングに対する意識が大きく向上したと感じています。
オウンドメディアに掲載しているコンテンツについても、最近は社内から執筆希望者が出てきていますし、自分が書いた記事にどんな反響があったのかを直接レポートで確認できるのでやりがいにつながっている面もあると思います。今後も会社全体の取り組みとして、HubSpotを活用した効果的な運用方法を模索していきたいと思います。
西氏:アクセサイトのような伴走してくれるパートナーがいなければ、ここまで順調で快適なサイト運営はできていなかったと思います。現在は、ニュースリリースやサービスページで使用する図版の制作や、ホワイトペーパー、eBookのデザインなどもお願いしており、今後も多岐にわたるサポートを期待しています。
月岡氏:HubSpotのカスタムレポート機能は、細かい部分でやりたいことが実現できないなどの課題が生じています。課題をクリアにするための他社の使い方や活用方法なども踏まえて、アクセサイトにはHubSpotのベストプラクティスを踏まえた提案を期待しています。
渡部氏:長く支援していただいているので、業界や製品についても熟知してくださり、それを踏まえた提案をしてくださるのも大きいと感じています。HubSpotは日々機能が拡張されていますので、今後はAI機能なども取り入れていきたいと考えています。ぜひ当社での積極的な使い方などもご提案いただきながら、今後もサポートいただけたら嬉しいですね。