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カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違いと企業における重要性

作成者: アクセサイト編集担当|2024.8.26

近年のビジネスモデルにおいて、単に製品やサービスを提供するだけでなく、顧客の成功を支援する「カスタマーサクセス」の概念が重要視されています。

この記事では、カスタマーサクセスとは、といった基本的な概念から、カスタマーサポートとの違い、カスタマーサクセスを効果的に実践するために必要なツールなどについて解説します。

カスタマーサクセスとは

カスタマーサクセス(Customer Success)」とは、顧客が自社の製品やサービスを最大限に活用し、その結果としてビジネス目標を達成できるように支援する取り組みを指します。

カスタマーサクセスは、顧客が成功することで自社も成功を収めるという考え方に基づいており、顧客満足度を向上させるだけでなく、顧客との長期的な関係構築や自社の事業を成長させることにも貢献することが期待できます。

カスタマーサクセスの役割

カスタマーサクセスの主な役割としては、顧客の成功支援、顧客に対しての継続的な価値の提供、顧客が抱える問題の解決に向けたプロアクティブ(能動的な)アプローチが挙げられます。

  1. 顧客の成功支援
    顧客が製品やサービスを効果的に活用できるよう、必要な情報提供やサポートを行う。
  2. 継続的な価値提供
    顧客に対して、製品やサービスを通じて継続的に価値を提供することで、顧客維持率(リテンションレートを向上させる。
  3. 問題解決のプロアクティブなアプローチ
    問題が発生する前に予防策を講じ、顧客がスムーズに業務を進められるよう支援する。

カスタマーサクセスが必要とされる背景

カスタマーサクセスが重要視されるようになった背景には、いくつかの要因があります。

1. サブスクリプションモデルの普及

多くの企業がサブスクリプション型のビジネスモデルを採用しており、顧客が契約を継続するかどうかが企業の収益に直接影響を与えるようになりました。

従来のように顧客が「買って終わり」ではなく、製品やサービスを利用し続けてもらうためにカスタマーサクセスは不可欠なポジションといえます。

2. 顧客中心主義の進展

現代のビジネス環境では、製品やサービスの質だけでなく、顧客がその製品やサービスを利用する中で得る体験が重要視されています。顧客が製品やサービスを利用する際に感じる満足度や利便性、そしてその結果として得られる成果が、顧客体験を形成する要素となります。

カスタマーサクセスを通して企業は顧客からのフィードバックを得ることができ、製品やサービスの質を改善することで顧客体験を向上させることが可能となります。

3. 競争激化と差別化の必要性

企業同士の競争が激化する中で、単なる価格や機能の違いだけでなく、顧客との強固な関係構築や他者との差別化が企業の競争優位性となります。

カスタマーサクセスによって顧客が抱える課題を能動的に解決することが、この関係を築くための重要な戦略と言えるでしょう。

カスタマーサポートとの違い

「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」は、一見似たような役割に見えますが、その目的やアプローチには明確な違いがあります。

1. 目的の違い

  • カスタマーサクセス
    顧客の成功を実現することが主な目的であり、長期的な関係を築き、顧客が製品やサービスを最大限に活用できるようにする継続的な支援を行います。
  • カスタマーサポート
    顧客が直面している特定の問題や不満を解消することが主な目的です。

2. 姿勢の違い

  • カスタマーサクセス
    顧客が成功するためのプロアクティブ(能動的)な対応が主な役割です。問題が発生する前に解決策を提案し、顧客のビジネス成果を向上させるための戦略的なアプローチを取ります。
  • カスタマーサポート
    顧客からの問い合わせやトラブルシューティングに応じる、リアクティブ(受け身)な対応が主な役割です。顧客が問題を抱えてから対応するのが一般的です。

3. KPIの違い

  • カスタマーサクセス
    顧客の定着率や解約率、LTV(顧客生涯価値)などが指標として用いられます。
  • カスタマーサポート
    問い合わせへの対応率や解決時間、さらには顧客満足度の評価などが主要な指標となります。

マーケティングや営業との情報連携とCRMの活用

カスタマーサクセスは、企業内の異なる部門間での情報の断絶、いわゆる「サイロ」を乗り越える必要があります。その理由は、組織全体が一体となって顧客のニーズやフィードバックを正確に把握し、それを基にした施策を効果的に展開することが可能にするためです。

また、CRM(顧客関係管理)システムをはじめとするデジタルツールの活用も重要となります。顧客との関係をより深く理解し、顧客の履歴やニーズ、フィードバックを一元的に管理することで、顧客とのコミュニケーションを最適化し、顧客満足度の向上につながります。

マーケティングや営業との情報連携の重要性

1. 顧客情報の共有

マーケティングや営業部門からの顧客情報、カスタマーサクセスからの顧客の課題やフィードバックを相互に共有することで、顧客のニーズや期待を正確に把握し、適切な対応が可能になります。この情報共有により、顧客との関係を強化し、顧客が抱える課題やニーズに迅速かつ効果的に対応することができ、顧客満足度の向上や顧客との信頼関係の構築が促進され、結果として企業の成長にもつながることが期待されます。

2. 一貫したメッセージの提供

すべての部門が同じ顧客像を共有することで、顧客に対して一貫したメッセージや価値を提供でき、信頼関係の構築がスムーズに進みます。

顧客にとっては担当者が誰であっても一貫したサポートを得ることができ、信頼感が生まれ、長期的なパートナーシップを築くことができます。

3. クロスセルとアップセルの機会創出

営業部門とカスタマーサクセスが連携することで、顧客がどのような追加製品やサービスに興味を持っているかを把握し、クロスセルやアップセルの機会を最大化できます。

顧客が既存の製品やサービスに満足している場合でも、営業チームは顧客のビジネス目標や課題を理解し、新たなニーズに適した製品やサービスを提案することができます。これにより、顧客との関係を強化し、ビジネスの成長と顧客満足度の向上につなげることができます。

CRMを活用することの重要性

カスタマーサクセスと営業やマーケティングが連携する上で、CRM(顧客関係管理)の活用は欠かせません。

1. 顧客データの一元管理

CRMを使用することで、顧客に関するあらゆるデータを一元的に管理できます。これにより、顧客の履歴やニーズを詳細に把握し、適切なサポートを提供するための基盤を築くことができます。

CRMのデータ管理機能を最大限に活用し、顧客中心のアプローチを実践することで、カスタマーサクセスをより効果的に実珵することが可能となります。

2. 顧客とのコミュニケーションの最適化

CRMは、顧客とのコミュニケーション履歴を記録し、どのタイミングでどのような対応が行われたかを追跡します。別の担当者が重複した提案を行なってしまうなどのミスを防ぐことができ、無駄のない効果的なコミュニケーションが実現します。

3. データの活用と効果の測定・改善

CRMを活用することで、顧客のフィードバックや行動データを分析し、顧客が製品やサービスをどのように活用しているかを把握することが可能となります。このデータに基づいて、顧客ごとに適切なアプローチを設計し、顧客満足度を向上させるための施策を実施することができます。

さらに、CRMを通じて、カスタマーサクセスの成果を定量的に測定し、必要に応じて戦略を改善できます。これにより、継続的な顧客満足度の向上が図れます。

HubSpotを活用したカスタマーサクセス

HubSpot

HubSpotは、無料のCRM機能を含むマーケティング、営業、カスタマーサポートの全ての業務をつなげる機能を備えた統合型プラットフォームです。

HubSpotはカスタマーサクセスでもその機能を活用することが可能です。
  • パーソナライズされたサポート
    HubSpotを使って顧客の特性やニーズに合わせた支援計画を立て、パーソナライズされたサポートを提供します。

  • 顧客満足度の追跡
    HubSpotのCRM機能を利用して、顧客満足度を定期的に評価し、改善点を特定します。

  • 自動化されたコミュニケーション
    顧客のライフサイクルに応じた自動化されたメールや通知を設定し、適切なタイミングでのコミュニケーションを実現します。

また、ベータ版ではありますが(2024年8月現在)カスタマーサクセス管理ツールも提供されています。

HubSpot カスタマーサクセス管理ツール

HubSpotのCRM機能を利用して顧客のヘルススコアを測定し、顧客へのスムーズなアプローチを実現します。ひとつの画面で情報を一元管理することができ、たくさんのツールを行き来して作業を行うこともなくなります。

まとめ

カスタマーサクセスは、顧客が成功することで企業も成功するという相互利益を追求するアプローチです。

カスタマーサポートとは異なり、プロアクティブに顧客の課題を解決し、長期的な関係を築くことが求められます。CRMを活用することでマーケティングや営業部門との連携が可能となり、カスタマーサクセスの取り組みをより効果的に行うことができます。

ぜひ、ツールを活用しながらカスタマーサクセスに取り組み顧客満足度や顧客のビジネス成長の最大化につなげてください。