BtoBビジネスにおけるマーケティングや営業活動の中でEメールを配信する際や、見込み顧客および既存顧客に営業アプローチする上で、リストを活用する機会も多いのではないでしょうか。
「リスト」と一言でいっても見込み客のリストや既存顧客のリストなど、一つの企業内でも管理するリストは多岐に渡ります。
この記事では、企業内で利用されるリストの中でも「ハウスリスト」と「ホワイトリスト」に着目し、ハウスリスト、ホワイトリストとは?から、それらの違い、活用方法について詳しく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
「ハウスリスト」とは、マーケティングや営業活動によってすでに何らかの接点がある自社の顧客や見込み客の情報を集めて作成したリストを指します。
このリストは、過去の取引やマーケティング活動を通じて得たデータに基づいて作成されます。具体的には、名刺交換や展示会で集めた情報や、Webサイトからの登録情報、などが含まれます。
このリストを利用して、パーソナライズしたマーケティング活動や営業活動を行います。
ハウスリストには、主に以下のような情報が含まれます。
既存顧客データ
見込み客データ
ウェブサイトのフォームやランディングページを通して収集された情報
イベントや展示会で得られた情報
ソーシャルメディアや広告キャンペーンを通じて取得された情報
行動データ
ハウスリストは、既存顧客や見込み客のデータを収集し、そのデータを整理してリスト化することで作成できます。
どのような顧客をセグメントしてリストを作成するか事前に定義しておくことや、SalesforceやHubSpotをはじめとするCRMシステムなどを活用することで、リストを効率的に作成することが可能です。
HubSpotのリスト機能については、別の記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
「ホワイトリスト」とは、取引やアプローチを検討中の企業の情報を収集して作成するリストを指します。
ハウスリストとは異なり、まだ接点を持ったことがない企業の情報を含みます。ホワイトリストの作成時には、社内でリストに追加する企業の選定基準を定めている必要があります。
ホワイトリストを活用することで実行できるのが「ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)」と呼ばれる手法です。
ホワイトリストを作成する際には、まずリストに追加する企業の選定基準を明確にします。
既存顧客の中から売上の上位を占める企業を業界、企業規模、地域といった観点から分析し、その結果を踏まえて、同じようなセグメントでまだ顧客になっていない企業を見つけ出す方法が有効です。さらに、各企業における関係者をリストアップし、彼らのニーズや課題を理解することでより効果的なアプローチを検討することが可能となります。
他にも、公的機関のデータなどを利用してリストを作成することもできますが、ABMツールを活用することで、より効率的なリスト作成が可能になります。
FORCAS
主要なABMツールについてはこちらの記事でも紹介していますが、国内ではFORCASやuSonarといったツールが主流となっています。
リストは定期的に更新して最新の情報を反映させていく必要があります。
ハウスリストとホワイトリストの大きな違いは、リストの基となるデータとその活用目的です。
ハウスリストは、自社で収集した顧客情報を基に作成し、主にマーケティングや営業アプローチに利用されます。
一方、ホワイトリストは取引やアプローチを検討している会社の情報がリスト化されたもので、新規開拓時の営業活動の効率化を主な目的としています。
また、ハウスリストは自社で保有している情報を基に作成しているため、情報の正確さや信頼性が確保されていますが、ホワイトリストは主に外部のデータを基に作成するため、定期的にブラッシュアップしていく必要があります。
ハウスリストはマーケティングや営業活動に活用でき、顧客との関係強化や新規顧客の獲得を促進できます。
ハウスリストは既存顧客の情報を基に作成しているため、リピーター向けの営業戦略や定期的な情報更新が有効です。
具体的な例としては、顧客の過去の購入履歴や行動データに基づいた関連性の高いオファーやプロモーションの提供や顧客のライフサイクルステージに応じたコミュニケーションが挙げられます。
ハウスリストを利用するメリットとしては、コストの削減、ターゲティング精度の向上、顧客との関係強化が挙げられます。
コスト削減
外部からリストを購入する必要がないため、コスト削減が期待できる
ターゲティング精度の向上
顧客関係の強化
ホワイトリストを効果的に活用するためには、まずリスト内の企業情報を正確に理解し、それぞれの企業ニーズに応えるアプローチを考えることが重要です。
ホワイトリストに含まれる企業の業種や業務内容を分析し、適切なサービス・商品の提案を行うことが可能です。
Webコンテンツやメールマーケティング、ターゲット企業の業界や業種などに合わせたセミナーなどを通してパーソナライズされたメッセージを伝えることも有効な活用法です。
ホワイトリストから得たセールスリードを効果的に活用することで、営業成績を大幅に向上させることが可能です。具体的な活用方法として、セールスリードを適切に営業担当者に配分し、迅速なフォローアップを行うことが重要です。
さらに、CRMシステムやデータベースでセールスリード情報を管理し、定期的に更新することで、顧客の状況に合わせたアプローチが可能となります。これにより、営業の効率を高めることができます。
ハウスリストとホワイトリストは、どちらも効果的なマーケティングと営業戦略の構築に欠かせない要素です。
それぞれのリストには独自の特徴と利点があり、適切な状況での活用が重要です。ハウスリストは自社のデータを活用して効果的なターゲティングを可能にし、ホワイトリストはABM戦略の実行に不可欠です。
それぞれの特徴や用途を理解し、適切に活用することで、マーケティング活動の効果を最大化することができます。
ぜひこれらのリストを活用してマーケティングや営業戦略を進めてください。