昨今、ECサイト（通販サイト）はAmazonや楽天のようなBtoC向けだけではなく、BtoBビジネスへも展開されるようになりました。
特に、BtoBビジネスにおいて効率的な販売プラットフォームを構築することは、競争力を維持するために不可欠な要素であり、マニュアルによる受発注業務の効率化が期待できます。
その中でも注目されているのが「Shopify Plus」です。Shopify Plusは、通常のプランとは異なり、BtoBビジネスに特化した機能を多く提供しています。
この記事では、Shopify Plusの基本的な概要から、その機能やBtoBビジネスへの活用例まで詳しく解説します。
目次
Shopifyとは
「Shopify（ショッピファイ）」は、2006年にカナダで誕生した世界的なECプラットフォームです。
コーディングの知識がなくてもオンラインストアを簡単に構築・運営できる点で支持されており、現在では175か国以上で利用されています。
商品管理や決済管理といった基本的な機能だけでなく、SNSとの連携や越境ECにも対応できるなど、中小企業から大企業まで幅広いニーズに対応しています。
Soup Stock Tokyoや土屋鞄製造所など、国内でもさまざまな業界で利用されています。（Shopify：Shopifyの成功事例24選：日本と海外のShopify導入事例をご紹介）
Shopify Plusとは
「Shopify Plus」は、Shopifyが提供する「エンタープライズ向けのプレミアムプラン」です。
主に大規模なEC事業者や法人向けのBtoB販売サイトを運営する企業に最適化されています。標準のShopifyプランよりも高いカスタマイズ性、拡張性、そして専用のサポート体制を特徴としています。
Shopify Plusの主な特徴
- カスタマイズ性：APIやアプリの柔軟な統合が可能
- 無制限のスタッフアカウント：スタッフアカウントの数に制限がなく、複数人が同時にログインして作業を行うことが可能
- 専任サポート：24時間体制の専任サポートを受けることが可能
Shopify 通常プランとShopify Plusの違い
Shopifyの通常プランとShopify Plusの主な違いは以下の通りです。（2024年11月時点）
| Shopify通常プラン | Shopify Plus | |
|---|---|---|
| 料金 | 月額3,650円〜44,000円 | 月額2,300ドル〜 |
| スタッフアカウント数 | 制限あり（最大15件） | 無制限 |
| サポート体制 | 一般的なチャット・メールサポート | 専用アカウントマネージャーがサポート |
| 複数ストア管理 | 追加料金が必要 | 最大10ストアまで無料で追加可能 |
|
BtoB機能 | 非対応 | 専用のBtoB機能が充実 |
BtoBビジネスでの活用シーン例
BtoBビジネスでは以下のような業務で活用が可能です。- 卸売販売
企業が複数の小売業者に商品を卸す際、Shopify Plusは効率的な価格設定や在庫管理をサポートします。 - 法人向け専用サイト
大企業が複数の支店に商品を供給する場合、個別のログインアカウントを設定し、購入プロセスを簡素化できます。 - サブスクリプション販売
定期的な商品供給を必要とするBtoBモデルにも対応可能です。
BtoB on Shopifyとは
BtoBでの卸売販売サイトを構築できる機能が「BtoB on Shopify」です。
BtoB on Shopifyの機能は、Shopify Plusに加入しているストアでのみ利用可能です。通常のプランでは、アプリを使用して作成する必要があるBtoB向けの卸売ストアをデフォルトで作成することができます。
BtoB on Shopifyの主な特徴
- 単一プラットフォームでの管理
Shopify PlusではBtoB専用ストアの構築はもちろん、BtoB（卸売）とD2C（直接消費者向け）の販売を同一のプラットフォームで管理することができます。これにより、運営効率が飛躍的に向上し、データの一元化が可能になります。 - 会社情報の登録
顧客管理セクションから企業情報を登録し、複数のロケーションを設定できます。これにより、各企業に対して異なる配送先や決済条件を設定することが可能です。 - お客様アカウント
顧客は自分のアカウントで購入履歴や住所を確認できるほか、チェックアウト時には自動入力される便利な機能があります。 - カタログ登録
顧客や地域ごとに異なる価格を設定でき、すべての商品に割引を適用したり、商品ごとに異なる価格を設定することが可能です。例えば、顧客の購買履歴や取引量に応じて、個別にカスタマイズされた価格を提供することで、顧客満足度を高め、長期的な関係を築くことが期待できます。 - Shopify Functions：配送先住所に合わせて自動的に送料を算出するなど、購入者に合わせたロジックをカスタマイズ可能です。
- 数量ルールの設定
購入数量に基づくルール（最小注文数や最大注文数など）を設定できるため、大口取引や卸売取引に対応した運営が可能です。 - 決済オプションの拡充
NP掛け払いなど、BtoB取引に適した決済方法も利用可能であり、顧客のニーズに応じた柔軟な支払い条件を提供できます。 え
BtoBの活用例
DAISO
100円ショップとして知られるダイソーは、BtoCのオンラインストア「DAISOネットストア」だけでなくBtoBの「オンラインショップ」も運営しています。
Shopifyを利用することで、BtoC・BtoBどちらも同じプラットフォームで管理できるようになりました。
オンラインストアの開設により、売上高を伸ばしています。
出典：Shopify - 売上高400%、トラフィック249％アップ！ DAISOが「Shopify Plus」で実現したBtoB・BtoCサイトの両輪戦略
カンロ
菓子メーカーであるカンロ株式会社は、Shopify Plusを利用して2021 年に「Kanro POCKeT（カンロポケット）」をオープンしました。Kanro POCKeTはBtoCのECサイトとしてだけではなく、BtoB向けの機能を利用して従業員向けの販売に活用しています。
BtoB向けの機能を活用することで、従業員専用の割引率の適用や、送料の一部を会社負担にするなどを実施しました。
出典：老舗菓子メーカー カンロ、Shopify Plusの多様な機能を活用し、自社EC流通総額175％を達成
まとめ
Shopify Plusは、BtoBビジネスに特化した機能と柔軟性を備えたエンタープライズ向けプラットフォームです。
Shopify Plusを活用することで、法人向けECサイトの構築・運営を効率化し、ビジネスの成長を加速させることが期待できます。
特に、卸売販売や法人向けの特化機能を求める企業にとって理想的な選択肢となるでしょう。
アクセサイトはShopify認定の開発パートナーとして、ECサイト制作をサポートします。ECサイト制作や法人向けサイトの構築・運用でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
