BtoBマーケティングや営業で「商談につながる質の高い問い合わせがなかなか増えない」「ターゲット企業に対する戦略的なマーケティングアプローチができていない」「アプローチする企業を絞って営業活動をもっと効率化したい」といったお悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
検討期間が長く、意思決定者が多数関与するBtoBの購買プロセスは、「商談前に勝負が決まっている」と言われるように、購買プロセスの大半は営業担当者との接触前に完了し、その情報収集の場としては、企業のウェブサイトからが大半を占めています。
この情報収集の段階にあるサイト来訪企業の企業名や興味・関心キーワードを可視化し、よりパーソナライズされたマーケティング・営業アプローチを可能にするツールが「ウルテク」です。
この記事では「ウルテク」の機能や利用例、利用するメリットについて解説し、さらにHubSpotと連携する場合のメリットについても解説します。
「ウルテク(URUTEQ)」はログリー社が提供する、BtoB企業の営業やマーケティング活動を支援するために開発された「アカウントインテリジェンスツール」です。
ウルテクは、インテントデータとAIを活用し、サイト来訪企業の具体的な企業名や企業の興味・関心を可視化することで、より効果的なマーケティングや営業アプローチを可能にします。
※インテントデータとは、ウェブ上での企業や組織の行動データを分析し、どのような製品やサービスに関心を持っているかを特定するデータです。
ウルテクは、インテントデータとして、「LOGLY Sphere(ログリー スフィア)」のデータを活用しており、データプロバイダーと連携した500万件の法人データや職種、役職データなど様々なデータを活用して、最適なタイミングで最適な施策アプローチを行うことが可能となります。
ウルテクの目的は、「ターゲット企業が今何を求めているか?」を明確にし、マーケティング・営業部門が、個々の顧客に対して「最適なタイミングで、最適なメッセージ」を届けることです。
特にABM(アカウント・ベースド・マーケティング)やABX(アカウント・ベースド・エクスペリエンス)を推進する企業にとって、ウルテクはその活動の要となるツールとなるでしょう。
ウルテクが必要となる背景には、BtoBビジネスの購買プロセスが大きく関係しています。
検討期間が長く、意思決定者が多数関与するBtoBの購買プロセスは「商談前に勝負が決まっている」と言われるように、購買プロセス全体の約6割は営業担当者との接触前に完了*1し、その情報収集の場として企業のWebサイトからが約6割以上を占めています*2。
*1:【出典】コーポレート・エグゼクティブ・ボード社「Digital Evolution in B2B Marketing」(2012)
*2:【出典】トライベック・ブランド戦略研究所「BtoBサイト調査 2023」
新型コロナウイルス感染拡大期以降はデジタル接点がさらに強化され、この動きはますます拡大傾向にあります。
一方で、BtoBのWebサイト経由のコンバージョン率は一般的に「数%程度」と言われ、残りの9割以上のサイト来訪者はアノニマス(匿名)状態でブラックボックス化しており、このような購買プロセスの情報収集段階にあるアノニマスリードに対する戦略的なアプローチには課題がありました。
このような課題に対処するために、欧米では、CRM、SFA、MAツールの次の一手として、ABM(アカウントベースドマーケティング)やABX(アカウントベースドエクスペリエンス)ツールが注目されており、ターゲット企業やリードに対するよりパーソナライズされた顧客体験が求められています。
このような背景から、ウルテクのようなABM/ABXツールをより有効活用することで、これまで実現できなかった「よりパーソナライズされたマーケティングや営業施策」を進めることが可能となっていくでしょう。
ここからは、ウルテクの主要機能と使い方についてご紹介します。
まずは、サイト来訪企業やユーザーを可視化したいウェブサイトに、ウルテクの計測タグを設置する必要があります。
ウルテクの管理画面上で発行された「接触タグ」をコピーして、計測したいウェブサイトに「Google Tag Manager」などを利用してタグを設置します。(計測したい個別ページまたはウェブサイト全体にタグを設置します)
また、コンバージョン(お問い合わせなどのフォーム送信)されたユーザーを管理することも可能です。同画面上で必要な「コンバージョンタグ」を作成し、「サンクスページ(フォーム送信完了ページ)」にタグを設置します。
自社の製品やサービスに関連するインテントキーワード(興味・関心キーワード)を登録します。
例えば、貴社がITサービス提供会社で、ERP製品の販売や導入を実施している場合、「ERP」、「ERP 導入」、「ERP 課題」、「ERP ツール」、「[貴社の製品・サービス名]」など、貴社のターゲットとなる顧客が興味や関心をもっていると予測されるキーワードを設定していきます。
ここで設定したインテントキーワードに一致するものや関連するキーワード情報が、外部サイトでのインテント情報(自社サイト以外の外部サイトではどのようなことに興味や関心があるか?)として活用することができるため、自社サイト訪問企業やユーザーの興味や関心をより把握することが可能となるでしょう。
計測したいサイトに接触タグを設置することで、自社のウェブサイトに来訪している具体的な企業名を一覧で可視化できます(検知できた企業が対象)。企業名をクリックすることで、該当企業の詳細情報(会社URL、上場区分、資本金、従業員数、年商、業種、業界など)の確認も可能です。
また、最近のアップデートでは「部署毎の代表連絡先情報」も追加されたため、ターゲットを狙い撃ちしたアウトバウンドコールにも活用できるでしょう。
自社サイト来訪企業に属する「匿名リード(アノニマスリード)」の訪問人数、リード単位でのページ閲覧状況や外部サイトでのインテントキーワードの可視化と分析が可能です。
さらに「インテント分析」機能では、リード単位での自社サイト内外のページ閲覧状況や興味・関心データから、リードの興味・関心毎を文章で自動生成してくれます。
コンバージョン時のフォローコール前に、インテント分析の内容を確認することで、よりパーソナライズされたメールやトークを展開でき、アポの獲得率の改善が見込めるでしょう。
サイト来訪企業や匿名リードのフィルタリング設定では、ICP毎にさまざまなフィルタリンググループ(リスト)を作成することが可能です。
※ICP(Ideal Customer Profile)とは、BtoB企業における理想的な顧客像を具体化したプロファイルのことを指し「企業版のペルソナ」ともいえ、企業が最も価値を提供できる顧客を定義し、その顧客に焦点を当てたマーケティング・営業戦略を策定するための指針となります。
フィルタリング条件は、「最終アクセス、企業名、閲覧ページ、UTMパラメーター、インテントキーワード(事前に設定)、合計訪問回数、年商、業種、従業員数、都道府県」などさまざまな切り口で設定できるため、貴社のアプローチ戦略によってさまざまな使い分けができます。
例えば、以下のような条件でフィルタリングしてリアルタイムなリストの抽出が可能です。(直近〇日の最終アクセスの指定は必須となります)
また、ICPリストに新たな企業が登録された場合は、EメールやSlackで即時に通知することが可能なため、マーケティングや営業活動において、「タイムリーな今の情報」をベースにアプローチ戦略を練ることができるでしょう。
ICPリストで抽出された企業を用いて、具体的なアクションに落とし込むための「カスタムリスト」を手動で作成することも可能です。
例えば、以下のようなリストイメージです。マーケティングや営業の日々のオペレーションに活用可能となるでしょう。
また、自社が保有している既存顧客リストや新規開拓予定リストなどのハウスリストのインポートも可能です。ハウスリストと実際のサイト来訪企業を照合しながらオペレーションを実行していくことができるでしょう。
ウルテクのライセンス費用には、LOGLY liftのリターゲッティング広告が無料で含まれています。
※「LOGLY lift」はログリー社が提供しているネイティブ広告プラットフォームです。
一般的なリターゲティング広告は、ユーザーが特定のページを訪れたことを基に、そのページに関連する広告を再度表示しますが、ウルテクの提供する広告は「インテント(購買意欲)がある匿名のユーザー」に焦点を当てている点が特徴です。
これにより、企業やユーザーが何を検討し探しているかに基づいて、よりパーソナライズされたクリエイティブで広告を効率的に配信できます。
ICPリスト単位でターゲットを絞り込んだ広告配信ができるため、広告のムダ打ちを抑制し、既存の広告費の削減にもつながるでしょう。
現在では、外部のCRM基盤としてHubSpotとの連携が可能です。
HubSpot CRMで管理している「コンタクト」と「会社」オブジェクトがウルテク側に連携されるため、ウルテク上でのターゲット企業やコンバージョンユーザーの詳細を確認したい場合に、HubSpot管理画面へのリンクが提供されています。
今後のアップデートでは、ウルテク上のインテントデータをHubSpot側に連携することや、HubSpot以外のCRM(SalesforceやKintoneなど)との連携も期待されます。
ウルテクを導入することで、マーケティング部門・セールス部門にさまざまな業務メリットが期待できます。
現在、ウルテクには「15日間の無料トライアル」、「ライトプラン」、「スタンダードプラン」の3つのプランが用意されており、それぞれで利用できる機能が異なります。
月15万円〜と業界的には安価なサービス体系となっているため、中小企業やスタートアップ企業でも利用しやすいのが特徴です。
プランの詳細はこちら:https://uruteq.logly.co.jp/plan/
HubSpotとは、マーケティング、営業、カスタマーサポートの全ての業務をつなげる機能を備えたAI搭載のCRMプラットフォームです。
HubSpotは、無料のCRM(顧客関係管理)に加えて、MA(マーケティングオートメーション)yやCMS機能、セールスエンゲージメントツールなどを提供しており、特にBtoB企業においては、マーケティングと営業、カスタマーサポートの連携をスムーズにし、効率的な顧客マネジメントとカスタマージャーニーの最適化を実現します。
HubSpotはもともと「インバウンドマーケティング」という思想のもと、ペルソナーやカスタマージャーニーをもとにターゲット顧客やユーザーにとって有益なコンテンツを作成し、検索エンジン(SEO)やSNSなどを通じて自社サイトに引き寄せることで「新規のリードを獲得」し、その後、CRMのデータを活用した最適なリードナーチャリングや商談管理、カスタマーサポート管理の実行で「ロイヤリティ顧客」を増やしていくアプローチを推奨しています。
リードの獲得(CRMへの登録)ができれば、その後の一連の実行戦略は可能になる反面、リード獲得前の「アノニマス段階」での企業やリードの可視化や分析には課題がありました。
ウルテクを活用することで、アノニマス段階にあるターゲット企業やリードを可視化・分析し、最適な広告やアウトバウンドコールなどでより戦略的なリード獲得のアプローチを強化できるようになるでしょう。
また、これまでHubSpot CRMで管理されていた情報の付加価値情報として、サイト来訪企業の詳細企業データやアノニマス段階でのページ閲覧状況、自社サイト外でのインテントデータなどが活用できるため、アノニマスリードのみならず、コンバージョンユーザーや既存顧客に対しても、よりパーソナライズされたフォローや提案アプローチが可能となるでしょう。
ウルテクとHubSpotの両方を活用することで、BtoBマーケティングと営業では、以下のような効果が期待されます。
アノニマス段階での来訪企業と閲覧コンテンツの傾向分析やコンバージョンに至るまでにどのコンテンツが有効だったのかをより把握できるようになるため、今後の広告戦略やコンテンツ戦略の見直しや優先順位の明確化が可能となる。
コンバージョン時のフォローコール(SDR)では、リードのアノニマス段階での訪問履歴や自社サイト外でのインテントデータ、「生成AIによるインテント分析」を活用できるため、コール前に確認することで、よりパーソナライズされたアプローチが可能となり、MQLやSQLへの転換率が改善される。
指定のフィルタリングに該当する企業やリードのみをSlackやメールで営業担当者に通知することで、提案中の顧客や既存顧客に対しても、顧客ニーズが高まったタイミングを逃さず、効率的な商談獲得やアップセル、クロスセルにつなげることが可能となる。
ウルテクは、BtoB企業のマーケティングと営業活動を革新するための強力なツールです。インテントデータとAIを駆使して、ターゲット企業の興味や関心をより可視化し、最適なタイミングでのアプローチを可能にします。
ウルテクの導入により、企業は競争が激化する市場での優位性を確保し、データに基づいた戦略的な意思決定を支援します。
アクセサイトはBtoBマーケティング・営業業務をより最適化するために、ウルテクの販売パートナーおよび導入支援を開始し、さらにこれまで培ったHubSpot導入のノウハウとあわせてアノニマス段階を含めた購買ファネル全体の包括的なサポートを提供します。